WORLD STANDARD HOUSE世界基準の家

後世に残せる家

~何世代も住み続けられる家~

日本の家の寿命をご存知ですか?

皆さんは日本の家の寿命をご存知でしょうか。
下記の表を見てください。

出典:国土交通省 平成28年度住宅経済関連データ 滅失住宅の平均築年数の国際比較 平成8年度「建設白書」

少し昔の資料ですし、現在は工法が変わったりしているのでもう少し住宅寿命は長いと思われます。

驚きましたか。
欧州やアメリカなどの住宅寿命と比較すると明らかに短いことがわかります。

この原因の中には、日本が地震が多い国であることや高温多湿な環境など他の国と比べると環境の違いもあると思います。
しかし、明らかに住宅寿命が違いすぎるなと感じるかと思います。

なぜ日本の住宅寿命は短いのか?

日本の住宅産業がどのようなものか少しお話します。

戦争にて多くの住宅を失ってしまった日本は、住宅不足になりました。
国民のためにたくさんの住宅を作らなければと思い、たくさんの住宅を作るため、国の主導にて住宅政策を進めていきました。
そのため、品質や快適性よりもスピード重視の家づくりが普及しました。

スピード重視の家ですから、やはり老朽化も早いですし快適性もありません。

なので、日本では祖父母の家に孫が住むということは滅多に聞くことがありません。
仮に祖父母の家をもらっても、建て替えるという選択肢になってしまうのではないでしょうか。

では、原因はなぜでしょうか。
耐震基準なども日々変わり続ける日本では、古くなってしまった住宅だと住んでいる人の命を守る耐震性がないことも一つの原因に考えられます。

また、断熱性能が低く快適には住めないという原因もあると思います。
私の体験談ですが、祖父母の家に冬に泊まりに行った際は朝起きると息は白くなるほど寒く、水道も凍っていてでない事を思い出します。

このような住環境で住み続けるという選択肢は難しいように思えます。
このような理由から日本の住宅寿命は30年~40年と世界的に見ても短くなっていると思われます。

しかし、作っては30年から40年後に壊すような消費型住宅を作り続けていていいのでしょうか。

2025年には日本でも省エネ基準が初めてできます。
その後、2030年にはその省エネ基準はアップグレードされる予定です。
日本も消費型住宅から変わろうとしています。

ライフサイクルコストを考える

確かに、省エネ性能の高い家(断熱材を多く使う家)は初期コストが高くなります。

しかし、本当に考えるべきなのは
住宅のライフサイクルコストではないでしょうか。

ライフサイクルコストとは、住宅を建ててからかかる、改修費用や光熱費を含め解体するまでの期間で考える費用のことです。

仮に3世代(100年)持つような世界基準の省エネ性能を持つ住宅を建設したとします。
建てた家には、子供や孫が住んでくれるかもしれません。
そうしますと、住宅ローンは35年で終わっていますから、新築費用よりははるかに安い軽度の改修費用のみで住み続けられることになります。
子どもや孫は、精神的にも経済的にも豊かになります。

トータルライフサイクルコストを比較する

実はとても大切な結露計算

後世に残せる家では耐久性もとても大切にしています。
屋根や外壁などの見える部分の耐久性も大切ですが、さらに大切なのは壁や天井裏などの見えない部分の耐久性だと思います。
(※見える箇所の定期的なメンテナンスも大切です。)

見えない部分なのだから、わかりようがないのではないか。と言われそうです。
しかし、設計の段階にて壁内や天井裏の結露計算をすることによって、結露をするかどうかの確認はできます。

例えば、壁の内部で結露が起こったとします。
結露は基礎と柱を繋げる土台や大切な構造体を腐らせる原因となってしまいます。
また、結露により断熱材の性能が落ちる事さえあります。

住宅の耐久性を考える上で、内部結露は避けるべき事なのですが、
日本の建築基準法では結露計算は義務付けられていません。

むしろ、設計者の中では結露計算を行っている人の方が少ないかもしれません。
耐久性が良くない住宅が長持ちするはずがありません。
しっかりとした建築物理を使うことにより住宅を長持ちさせることが出来ます。
それが住宅に寿命を伸ばすことに繋がっていきます。

壁内で結露が起こり、腐ってしまった構造体
壁内で結露が起こり、腐ってしまった構造体 出典:日経ホームビルダー
結露計算をし、適切な対応をします。
結露計算をし、適切な対応をします。

2050年のカーボンニュートラルに向けて、今後も住宅産業では省エネ基準の引き上げが予想されます。
2050年はまだまだ先だと思うかもしれませんが、住宅寿命で考えるとすぐそこまで来ています。

今から家づくりを検討する人は、未来の地球や子供たちのためにも数十年後の事を考え判断していかなくてはいけないと思います。
あなたの今の判断が2050年時点で壊されてしまう家になるのか、住み続けられる家になるのかに分かれます。
どちらが未来の地球や子供のためになるのでしょうか。

そのような理由から、後世に残せる家(住み続けられる家)を提案していきたいと思います。