仕事に対する想い

私は大学卒業後、地域ゼネコン(総合建設業)に就職。
現場監督として仕事に明け暮れ2年半経った頃に地元で工務店を営む先輩から「忙しいから手伝いに来てほしい」とのオファーをいただいて、

もともと木造住宅に興味があったこともあり、半年後に3年間お世話になったゼネコンを退職、期限付きで先輩の工務店へ転職し、木造住宅のイロハを学ばせていただきました。
そこでの設計士さんとの出会いが私の気持ちに変化をもたらしました。
「施工箇所が完了した後でも少しイメージと違うから、手直ししてほしい」と平気で言うなんとも理不尽な方。
などなど…色々な経験をさせてもらう事が出来ました。
そんなことから「自分も資格を取って、職人さんのことも考えられる設計士になりたい」と強く思い、水村建築設計を継承するため、2018年に実家へ戻りました。

私は、現場の職人さん、設計士である私、建て主さんの皆が協力し良い家を造りあげる事が大切だと思っています。
そのためには、私自身も現場に行き手伝い、少しでも職人さんの負担を減らし、現場の状況を把握し、先回りして建て主さんと細かい打合せをすることが大切だと思っております。

良く建て主さんにびっくりされるのが、私自身が現場であれこれ雑用を行っていることです。
設計士はそんなこともするの?と言われますが、設計をした住宅だからこそ現場のためになにかできることがあれば現場にて手伝うスタイルです。

私は設計士としては、変わり者なのかもしれませんが、今は現場のために出来る事をすることが良い家を造りあげるためには必要だと考えています。

ここで実家に戻った当初の案件を二つご紹介させてください。

一つ目は、父と私が初めてタッグを組んで仕事をした案件。
ものつくり大学付近で父が13年ほど前に建てた住宅の隣の敷地にカフェを建ててほしいという依頼でした。(水村建築設計で初の一括発注方式)

テレビ朝日で放送している「人生の楽園」という番組で2022年5月14日に取り上げられました!
人生の楽園ウェブサイト記事はこちら

二つ目は、大宮に住む父の恩師である息子さんが住む住宅の建て替え案件。
築50年ほどの住まいで、10年前に1度リフォーム済み。
壁には断熱材がなく、「性能のいい住宅」とは決して言えませんでした。
そんなこともあり「リフォームにお金をかけるなら建て替えの方がいいのではないか?」と思ったことから父に相談、建て主さんにお話したところ2019年に建て替えが決定。
水村建築設計で初めて床下エアコンを採用した住宅で、建て替え後は満足のいく暖かい住まいになりました。
今思えば、こちらの案件が「これからの家づくりは省エネ住宅がいいのかなぁ」という考えに私をさせてくれたと感じます。
それからは、福井コンピュータさんの省エネ計算ソフトで勉強したり、上尾の(有)佐藤工務店さんに直接ご指導いただいたり、断熱のプロ西方先生の本…と様々な面から省エネ住宅について学びました。

私が掲げている「ワールドスタンダードハウスプロジェクト(世界基準の家)」を意識したタイミングは、省エネ住宅に詳しい方からの一声から。
先ほどご紹介した大宮の住宅がHEAT20 G2グレードに0.1~0.2足りていない住宅だったことを伝えると、「もうちょっとだったから、次はG2目指しなよ!」と。

さらに、私をいつも応援してくれるマテックスの清水さんから「鹿児島で超高性能住宅を建てている方に会ってみない?」とお声がけいただいて、2022年1月にお会いする機会がありました。
その方は、鹿児島の工務店「パッシブスタイル」の馬場さんです。
パッシブスタイルさんは、HEAT20 G3グレードの超高性能住宅しか建てません。
現在1~2年待ちの状態の工務店さんです。

ありがたいことに2日一緒に現場を回らせていただき、建て主さんへの説明の仕方やお金の話まで包み隠さずお話してくださいました。 鹿児島に行くまで「住宅の寿命(40~50年)で考えると、ある程度コストも抑えられるG2グレードでいいのでは?」と考えていた私。

しかし、馬場さんのお話で
・当時、私(水村)が作っていたG2グレードの住宅は、ドイツでは法律上では住宅として建てられないこと。
・ドイツで唯一日本のG2グレードと同等の性能の建物が建っていたけれど、それは農業用倉庫で人が住める住宅ではなかったこと。
と日本の住宅性能(温熱性能)が低いことを思い知らされました。

また、なんといっても、G3グレードの住宅に実際にお邪魔して体感することが出来たことです。
家の中の空気の質の違いを体感することが出来ました。

この時に、大宮で建てさせていただいた住宅の建て主さんにG3グレードを選択肢としてご提案できなかったことを後悔。
「住宅性能を選ぶのは建て主さん。様々な選択肢をご提案できる知識を手に入れよう」「水村建築設計独自のスタイルを作りたい」そう思いました。

「パッシブスタイル」馬場さんのyoutube動画はこちら

現在、水村建築設計で施工中の住宅はHEAT20 G3グレード。
これからはG3グレードを基準とした住宅を建て主さんへご提案することを水村建築設計のスタイルにしていきたいと考えます。