付加断熱材を収めるにあたっての水切り施工について

皆さん、こんにちは。
水村です。

今回は付加断熱材を収めるにあたっての水切り施工について綴りたいと思います。

HEAT20 G3グレードの住宅を埼玉県にて建設する場合、付加断熱が必要になってきます。
通常、木造住宅では構造材(柱の大きさ 105mm~120mm)の間に断熱材を充填するのが基本です。
「柱の間にどのような断熱材を入れましょうか?」「性能の良い断熱材を入れましょうね!」というような会話をハウスメーカーさんはお客様と一緒に検討をしていると思います。
私も高性能住宅を勉強する前はそうでした。

今の私の考えから言いますと、105mm〜120mmにどのような断熱材を入れるか検討しようが、いくら性能の良い断熱材を入れようが世界基準で考えるとまったくもって断熱材は足りません。
105mm〜120mmの柱の中で戦っていたのでは、勝ち負け以前に世界基準の土俵にすら上がれないのです。
このことを私は『日本ならではの無意味な105の戦い』と呼んでいます(笑)

大事なことなので2回言わせてください。
105mm〜120mmの柱の中で断熱材を考えていたのでは、住宅性能値で考えると世界基準の土俵にも上がれません…!
(今後すばらしく性能の良い断熱材が開発されれば別の話ですが…)

少し話が逸れましたが、世界基準の住宅性能を建てるのであれば、付加断熱が必要ということ。

そこで今回の本題ですが、付加断熱材の施工に伴いサッシの下端には水切りが必要になってきます。
サッシの取付位置によっても必要か不必要かなどもありますが、今回はサッシが付加断熱材に食い込んでいる施工のお話です。

サッシを構造用面材に取付け、付加断熱100mmを施工したとします。
そうしますと、サッシよりも断熱材の方が出っ張ってしまいます。

左右や上部は断熱材の側面を仕上げてしまえば問題ないのですが、下端はサッシに雨があたり水が垂れてくるので何かしらの雨仕舞(あまじまい)の検討が必要となってきます。
その際に下端に水切りを施工します。

日本の木造住宅ではそんなことは想定していないので、水切りを探すことに苦労します。
木造住宅用のサッシのカタログではどのメーカーを見てもまずありません…。
RC構造や鉄骨構造のサッシではそのような水切り施工の納まりを行うので、種類は少ないですが施工できそうなものが見受けられます。

しかし、水切りの材質はアルミ製。
アルミは熱を吸収しやすく温まりやすい性質があります。
サッシは高性能な樹脂サッシを使っているのに、水切りは熱を通しやすいアルミ製を使わざるを得ない状況。
ちょっとした矛盾に直面しています。

今後、HEAT20 G3グレードの住宅が日本でもっと普及していけば、付加断熱に対応できる樹脂製の水切りが開発されるのではないかと思っております。
世界基準の家がもっと広がるよう、これからもこのような記事を書いていきます。

今回の水村的キーワード:付加断熱 水切り